2012年12月12日水曜日

“クラシック”と“モダン”で楽しさ2倍PS3Xbox 360「ソニック ジェネレーションズ 白の時空」と3DS「青

 2011年12月1日に,「ソニック ジェネレーションズ 白の時空」( / )と「」(3DS)が発売された。

 この2作品はどちらも,セガの看板キャラクター“ソニック?ザ?ヘッジホッグ”の生誕20周年を記念したタイトルで,「ユーザーとともに20周年を祝い楽しむ」というコンセプトのもと,過去のシリーズ作品をリスペクトした内容で制作されている。
 また主人公は当然ソニックなのだが,処女作以降,メガドライブ時代の2Dアクションを中心に活躍した“クラシックスタイル”と,1998年に発売された「ソニックアドベンチャー」(ドリームキャスト)以降の3Dアクションで活躍し続けている“モダンスタイル”がシリーズで初めて共演を果たすという,記念すべきタイトルでもある。
 今回は,「白の時空」「青の冒険」の2タイトルをプレイしたレポートをお伝えしよう。なお,今回プレイした「白の時空」はPS3版である。

シリーズよりメタルソニック,シャドウ,シルバーの3人が登場。ライバル達と対決するシーンもある(※画面は「白の時空」)

20周年の歴史を2タイトルに集約し,新旧ソニックで異なるプレイフィールを実現楽しいパーティーの最中,突如現れた黒い怪物“タイムイーター”が,仲間達を次元の彼方へと飛ばしてしまう(※画面は「白の時空」)  基本コンセプトは両作品とも同じで,リメイクされた過去シリーズ作品のステージ群を,新旧2人のソニックが冒険するというもの。ゲーム内容は,対応プラットフォームに合ったアクションが楽しめるよう,それぞれ別のものになっている。
 ただし,「白の時空」と「青の冒険」のステージで共通なのは“グリーンヒル”ステージのみで,それ以外はすべて異なるステージが収録されている。また各ステージには,クラシックスタイルでプレイするACT1,モダンスタイルでプレイするACT2の2つが用意されている。
 ストーリーラインは,IXA RMT,「白の時空」と「青の冒険」で共通のものとなっている。
 ソニックが仲間達とバースデーパーティーを楽しんでいるところに謎の怪物が突如出現し,仲間達ともども飲み込まれてしまう。ソニックが気がつくと,目の前には真っ白な世界が広がっており,そこでソニックは“過去の世界の自分”に出会う。2人のソニックは,白い世界に“色”を取り戻し,謎を解き明かすために,時空を駆け巡る冒険の旅に出るというものだ。

スピードとボリュームで圧倒する「白の時空」一つのアクトをクリアするとステージ名が分かり,半分だけ色が戻る。残るアクトをクリアすると完全にステージが復活する  「白の時空」では,ステージをクリアすることで世界に“色”が戻り,次のステージに進めるようになる。クリアしたステージでは,ルールが異なる“チャレンジアクト”に挑戦可能になり,チャレンジアクトのACT1/2いずれかをクリアしてカギを手に入れると,ボスが登場する“ボスアクト”に挑めるという仕組みだ。
 ちなみに,各ステージだけでなくチャレンジアクトも,それぞれクラシックとモダンの両方でプレイできるという,かなり豪勢な仕様となっている。
ステージの敵キャラクターやギミックは,オリジナル作品に沿った演出が用意されている モダンスタイルには,ホーミングアタックやブーストなどのアクションがあり,ステージ構成もそれらのアクションを活用するものになっている
 「白の時空」において,クラシックスタイルとモダンスタイルのステージは,まったく別のゲームといえるほどプレイフィールが異なっている。
 クラシックスタイルでは,メガドライブの「ソニック?ザ?ヘッジホッグ」シリーズを彷彿とさせる横スクロールタイプのアクションを,モダンスタイルでは,シリーズ最高峰といえるスピード感と派手な演出が光る3Dアクションを,それぞれ楽しめる。

 ソニックシリーズ好きの筆者にとって,プレイしていて一番インパクトがあったのは,やはりモダンスタイルのステージである。“グリーンヒル”や“ケミカルプラント”のように,「ソニック?ザ?ヘッジホッグ」3部作に登場した懐かしいステージを,3Dアクションとしてプレイする感覚は新鮮だった。言うまでもなく,いずれのステージも最新の技術でリメイクされているわけだが,プレイすればしっかりと“懐かしさ”を感じ取れるものになっている。
同じケミカルプラントのステージでも,クラシック(左)とモダン(右)ではここまで違う。同じステージではあるが,走るコースもまったく違うのだ
 一方,クラシックスタイルのステージは,3Dアクションとしてプレイしたステージを2Dの横スクロールアクションとしてプレイする感覚が面白い。
 また,たとえばグリーンヒルなどのステージは,HD解像度に対応して画面のアスペクト比が変わったことで,オリジナル版よりも周囲がより広く見えるようになっている。

 もう一つ,触れておきたいのが,本作のサウンド面についてだ。
 たとえば,「白の時空」では,各ステージの入口前にソニックが立つと,そのステージのアレンジバージョンのBGMが流れるようになっている。これらの曲はどれも,ずっと聞いていたくなるほど完成度が高いのだが,そこから別のステージの入口に移動すると,ナチュラルにそのステージのBGMに移行する演出が採り入れられているのだ。これが非常に心地良く,ステージをプレイせずに,入口を何度も行ったり来たりしてしまったほどだ。
 ACTによってステージBGMのアレンジが異なっていたり,ゲーム中に集めた“過去作品のBGM”をそのままステージ中に流せる仕組みがあったりと,ゲーム全体を通してサウンドに関する演出にも力が入っており,ファンを喜ばせようとする意気込みが感じられた。
 そのほか,ゲーム中で特定の条件を満たすと,メガドライブ版「ソニック?ザ?ヘッジホッグ」をプレイできるようになるとのこと。

携帯機らしい手軽さと通信機能が楽しい「青の冒険」カオスエメラルドを追いかけていくスペシャルステージ。障害物にぶつからないように,制限時間内にカオスエメラルドをつかまえるのだ  3DS版「青の冒険」のストーリーの流れは「白の時空」とほぼ同じだが,ゲームのシステムが異なる。
 各ステージにはクラシック/モダンの2ACTが用意され,ステージをクリアすると別のステージが現れるという基本的な流れは同じだが,「青の冒険」では,2つのACTのクリア後に出現する“スペシャルステージ”が用意されている。
 スペシャルステージは,障害物を避けながらパイプの中を進んでいき,ゲームを進めるうえで重要なアイテム“カオスエメラルド”を入手するというもの。「ソニックヒーローズ」の同名ステージとほぼ同じゲームデザインなので,当時を知るファンにはグッとくるものがあるだろう。
「青の冒険」のストーリーシーンは,場面によってはオリジナルの声優陣による音声付きで楽しめる
 また,「青の冒険」にもコレクション要素が用意されているが,これらのコレクションは,本編とは別の“ミッション”モードをプレイすることで集めていくことになる。ミッションは全部で100個用意されており,ゲームを進めたり,すれちがい通信をすることでオープンされていく。また,3DS本体と連動した“ゲームコイン”を使ってコレクションの入手も可能なので,すれちがい通信がなかなかできない人やミッションがクリアできない人も安心だ。
ミッションはクリア済みのステージなどを使って行われる。すれちがい通信では,ミッションのクリアタイムなども一緒にやりとりされるのだ  「青の冒険」では,クラシックスタイル/モダンスタイルともに,横スクロールタイプの2Dアクションだが,ACTごとにルートや演出,仕掛けなどの設計がまったく異なっている。クラシックスタイルではシンプルかつ軽快なアクションを,モダンスタイルでは派手な演出とスピード感を味わえる。とくにモダンスタイルでは,3D立体視を意識した演出が随所に盛り込まれているのも見どころだろう。
 また,たとえば「ソニックカラーズ」の“トロピカルリゾート”のように,“カラーパワー”が使えるなど,オリジナル作品独自の能力やアクションがギミックとして用意されているステージも存在する。
クラシックのグリーンヒル(左)は,メガドライブ版にかなり近い形で再現されている。一方のモダン(右)は,オリジナルにはない新規の演出も用意 こちらは「ソニックアドベンチャー」より,“エメラルドコースト”のステージ。やはりクラシック(左)とモダン(右)ではかなり様子が違っている
ボスはソニックシリーズのラスボスやライバルが相手となる。2種類のボスを倒せば,次のエリアに行ける
ファン同士のコミュニケーションにピッタリなプロフィールカード。上画面の壁紙は,プレイを重ねると違う絵柄に変更できるようになる  ほかにも,ステージのクリア時間を競う世界ランキングに挑戦できる“タイムアタック”や,ローカル通信/インターネット経由でレース対戦が楽しめる“インターネットたいせん”など,時間が空いたときにサクッとプレイできる,携帯ゲーム機向けタイトルらしいモードが揃っている。

 また,すれちがい通信では前述のミッションを配布できるほか,プレイヤーの“プロフィールカード”を交換可能だ。プレイヤー名とMii,リネージュ2 RMT,ゲームのランクのほか,ソニック暦や好きなシリーズのタイトル,キャラクターなどを登録でき,交流が楽しめる。


 「白の時空」と「青の冒険」は遊び込める要素が満載で,じっくり楽しみたい人にもお勧めできるアクションゲームとして仕上がっているので,ソニックシリーズをプレイしたことがない人は,自分の持っているハードに合わせたどちらでもいいので,まずは配信中の体験版からプレイしてみてほしい(/)。
 また,コレクションルームで鑑賞できるコンセプトアートやBGMなど,ソニックシリーズ20年の歴史もぎっしり詰まっており,資料的な価値も非常に高い。ファンならば2本とも入手したいタイトルといえるだろう。
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