2013年4月5日金曜日

真実は隠されている。「放課後ライトノベル」第116回は『暗号少女が解読できない』で彼女のヒミツを解読

。それなのになぜ,これほど面白く感じられるのか。  まず,一番大きいのは,女の子の気持ちの描写がうまいこと。何気ない仕草や台詞を丁寧に書くことで,西村が暗号に取り組んでいるときは沢渡さんが楽しそうにしているのが,逆に西村がほかの女子としゃべっていると沢渡さんが不機嫌になっているのが,読者にも自然と伝わってくる。こうした細かい描写のおかげで,読んでいるこちらも思わずニヤニヤしてしまう。  サブヒロインも,遊んでもらいたい年頃の妹に,ツンケンしている後輩に,男勝りな幼馴染みと,ドラゴンクエスト10 RMT,これまたベタではあるが,作者の丁寧な書き込みと,絶妙な表情を切り取ったイラストによって,可愛らしさが五割増しである。  そして本作のメインである暗号解読も,ただパズル的な面白さがあるだけでなく,ストーリーの盛り上がりにも大きな影響を及ぼしている。なぜなら本作は沢渡さんが作った暗号を解いて,それでお終いというわけではない。そこからさらに考えを進め,彼女が「どうして暗号を作ったのか?」という理由までたどり着かなければいけないのだ。  本音を隠した少女が想いを暗号に託し,女心を理解しない少年が暗号の解読を通じて少女の気持ちに近づいていく。こうした,遠回りでもどかしくなるようなコミュニケーションこそがラブコメの醍醐味であり,暗号解読を通じて2人の距離が縮まっていく光景が実にいい。一見するとトリッキーな暗号解読というアイデアが恋愛要素と見事に絡み合い,ほかに類を見ないラブコメディに仕上がっている。この作品が大賞を受賞したのも納得の内容だ。暗号が好きな人はもちろん,面白いラブコメが読みたいという人にも自信を持って推薦したい。 ■第11回SD小説新人賞の特別賞受賞作もご一緒にどうぞ 『God Bravers 君の勇者に俺はなる!』(著者:永原十茂,イラスト:コミズミコ/スーパーダッシュ文庫)  今回のコラムは,『暗号少女が解読できない』と同時に,第11回スーパーダッシュ小説新人賞の特別賞を受賞した『God Bravers 君の勇者に俺はなる!』をご紹介。作者は受賞時なんと17歳!  人類それは神様が作ったコンピュータに巣食うウイルス。もちろん神が本気を出せば簡単に駆除できるのだが,ドラゴンクエスト10 RMT,暇を持て余した神々は別の利用法を考えた。神が勇者を操作し,人類を駆除していくゲームを作ったのだ。その名も「God Bravers」。ゲームには当然ラスボスが必要で,そのラスボスである魔王に選ばれたのが高校生の榊ユウト
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