。 そして稲船氏は,自身が以前から取り組んでいる“日本×海外”という掛け算を挙げ,各国の違いを認識し,長所を混ぜ合わせて化学反応を起こせば,さらにいいゲームが生まれるのではないかと期待を寄せていると話す。また,その過程においては大変だと感じる部分もあるが,それ以上に掛け算から生じた結果の大きな価値と比較すれば,取るに足りない程度の苦労であるとも話していた。 そうした取り組みは,稲船氏自身の会社であるcomceptのプロジェクトでも実践されており,現在は未発表のものも含めて多彩な企業や業界とのコラボレーションを進めているという。コンシューマゲーム出身だから,コンシューマゲームだけ作っていればいいという姿勢は,cabal rmt,引き算の考え方に近いと稲船氏は述べ,それでは結局カプコン時代以上のものを作り出すことはできないだろうと語る。 そんな状態を他人から指摘されたくないし,氏自身もそうした状況に陥りたくないという考えから,掛け算もしくは足し算による凄い結果を求めて,未知の業界や未経験の分野に乗り出しているとのことである。ちなみに今は“稲船敬二×ソーシャルゲーム”が一番楽しいそうだ。 ここで稲船氏は,これまでの自身の言葉を振り返り,「偉そうなことを言ってきたのだから,アラド戦記 RMT,結果を出さないわけにはいかない」と述べる一方で,「でも,ステップアップのためにコピーのようなタイトルを出すことがあるかも」とも話し会場を沸かせた。もちろん,この発言の裏には基礎となる部分を理解したうえでなければ効果的な掛け算ができないという意図があり,恒常的にコピータイトルを垂れ流すという意味ではもちろんない。 さらに稲船氏は,自身がコンシューマゲームで築き上げた実績が自身の母数であり,相手がそれを大きいと取るか小さいと取るかも重要であると話す。現在は,氏の母数を大きく評価している──すなわち氏を信頼している相手としかコラボしていないとのことだが,その理由の一つは掛け算して大きな成果を出すためであり,もう一つは氏自身のモチベーションを高めるためであるという。稲船氏は,氏を信頼して任せてくれるならモチベーションが高まり,さらにいい成果を出すことに繋がるだろうと話していた。 講演の終盤で,稲船氏は,いいアイデアを持っていても,成功する人とそうでない人がいることに言及する。氏は「自分ごときが考えつくアイデアは,同時に誰かが考えているはず」と考え,とにかく早く実現することを心がけるそうだ
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